橋本病による妊娠時のリスクってどうなのでしょうか？

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橋本病による妊娠時のリスク

橋本病とは、甲状腺の疾患の一種です。
若い女性の発症率が高く、好発年齢は30～40代ですが20代の患者も多いです。
甲状腺の病気としてよく知られているのがバセドー病ですが、バセドー病と橋本病はちょうど対極にあたる病気です。
バセドー病は甲状腺を過剰に刺激してホルモンが分泌されすぎるという病気ですが、橋本病は甲状腺の細胞が破壊されることでホルモンの分泌が低下する病気です。
そのため、代謝の低下により太りやすくなる、疲れやすくなる、気分が落ち込みうつ状態になるなどといった症状が出ます。
橋本病の原因ははっきりとはわかっていませんが、自己免疫疾患の一種であるとも言われています。
ストレスなどにより免疫力が落ちると罹患のリスクが高まるとされています。
妊娠、出産時は免疫力が低下するため、妊娠、出産を契機に発症することもあります。
女性に患者が多いのは、こうしたライフイベントによりリスクが高まるタイミングが多いせいではないかともいわれています。

橋本病は妊娠時に発症するリスクが高まりますが、発症によって母体だけでなく胎児にもリスクは及びます。
妊娠時の最大のリスクは流産です。
ホルモンの分泌が低下し、代謝が低下することにより胎児へ十分な栄養が行き渡らなくなり、成長不良になるリスクなどもあります。
成長不良から妊娠時胎児死亡となるリスクもありえます。
また、橋本病は日常生活への影響がそこまで大きくなければ必ずしも治療が必要なわけではありません。
しかし、日常生活への影響が大きいのならば治療が必要です。
治療は主に薬物治療が主流ですが、妊娠時は薬物の影響も考慮しなければなりません。
胎児に影響があるかどうかははっきりしていないものも多く、そういった意味でも妊娠時はリスクがあります。
もちろん、胎児だけでなく、母体にも影響はあります。
胎児に優先的に栄養が使われるため、母体の症状が重くなることがあるためです。
しかし、橋本病だからといって妊娠出産を諦めることはありません。
治療と両立させることも十分可能なため、主治医とよく相談しましょう。

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